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大久保 みどり(Midori OHKUBO)

大阪府出身。2歳よりピアノをはじめ、幼稚園の頃から作曲をする。東京芸術大学作曲科卒業。作曲を野田暉行、川合学の両氏に師事。
現在、ヤマハ音楽振興財団のスタッフとして、全国で後進の指導にあたっている。

ウォーターネットワークのためのオリジナル作曲


「みずぎわ」1.映ろひ 2.流れ 〜筝と尺八のために
尺八、筝
「水」には、色合いや動きなど、表情に微妙なニュアンスがあります。目で感じるのではなく、耳で感じる「音の世界」にもその抽象的なものがあり、自分の音楽と重なっていたので、特にその表情の現れる「水際」にスポットをあててこの曲を作りました。
「音の世界」に国境はなく、これも「水」の微妙な変化のような違いかもしれませんが、自分の求める音を、それぞれの邦楽器の音質的なイメージの範囲で、ジャンルや様式に故意にあてはめず表現しました。
曲は、緩「映ろひ」・急「流れ」の二つの対比する部分から成っています。

「樹々の詩」
筝、筝
藍々と繁る樹々。そこには、透き透る美しい湖、さわやかな空気、肥沃な大地が存在し、さまざまな生命が宿る。それらが、そろって、初めて本来の森の美しい情景が成り立つことを、今の私たちは再確認させられる。
その美しい森の情景を、さらには、目で見えない何か神秘的なものを、音へと表現してみました。それぞれ微妙に調弦の違う二面の筝を使い、それらを表現できればと願い作曲しました。

「昇華」
筝ソロ
  1. 固体が液体になることなしに、直接気体になること。
  2. 精神分析の用語。社会的に認められていない欲求や、無意識の性的エネルギーが、芸術や宗教的な活動などをとおして、社会的に価値のあるものに置換されること。
  3. 物事がさらに高い状態へ、一段と高められること。
〔『広辞苑』より抜粋〕
その変化は、螺旋や揺らぎなどの曲線を表し、自然なラインを描きます。同様に、すべてのものは形を変え続けていきます。「時」も新しい時代へと進化しつづけています。
すべてのものが希望ある方向へと「昇華」してほしいという願いを込めてこの曲を創りました。
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