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明治神宮奉納コンサート2002
「森の音、水の響き」〜失われゆく水と音〜
次世代の子供たちへ伝えるもの

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明治神宮は年間800万人以上と日本で最も参拝者の多い神社だ。東京のど真中にあり鬱蒼と繁る神宮の杜、この森が人の手によって造られた人工の森ということを知る人は少ない。

80有余年前、この辺りは畑や草原の荒地であった。明治天皇ご崩御に際し、神宮建設の請願運動が広がり、日本林学・造園学の父・本多静六を中心とする時の精鋭の学者たちは、杉林という神社林の常識を覆して、この地に適するシイ、カシ、クスなどの常緑広葉樹の杜を造ることを決定した。全国から約370種、約10万本の木々が献木され、全国から結集した延べ11万人の若者たちにより一本一本植えられた。

この森は「天然更新」により自然の力によって森がつくられるように計画された。100年先を見越して造られたものだ。「落ち葉はすべて杜に返すべし」その教え通りに、落ち葉は掃き集められた後、すべて杜に返されている。参道から森を見ると1m以上土が盛り上がっているのがわかる。これは木々の葉が森に返され、腐葉土となったものだ。

そして、この森の中には、今でもこんこんと美しい水が湧き出している。加藤清正が掘ったとされる「清正井(きよまさのいど)」は御苑内にあり涸れることのない湧水だ。この水は菖蒲田、南池を経て、神鏡の下を流れてゆく。神鏡付近は深山幽谷を思わせる渓谷となっている。この川は杜を出て、渋谷川へと流れ、やがて、東京湾へと注ぎ込んでいる。

写真12

明治神宮コンサート「森の音、水の響き」では、人々によってつくられた森に囲まれ、森と水の意味・意義を感じていただき、このコンサートを通じて地域の環境と文化のつながりを感じていただくことができればと思い、実施いたしました。

このコンサートは、第3回世界水フォーラムとのコラボレーションとして行われ、今年が明治天皇御生誕150年にあたることから、それを記念した奉納コンサートとして実施したものです。さらに、「次世代へ伝えるもの」をテーマとして実施してきたこのプロジェクトの象徴的な催しとして、次世代の子供たちが笑顔で生きられる地球の平和と安寧を祈るという意味もこめています。

コンサート当日、午前中は激しい雨と風で野外開催が危ぶまれましたが、午後から晴れ上がり、夕方からは大変穏やかな天気となり、無事野外の社殿前で実施・奉納させていただくことができました。

コンサートには各国大使館関係者のご招待者を含み約800名の方々の御来席を戴きました。併せて、第3回世界水フォーラムへ向けた「水の声」も多数いただくことができました。

誠にありがとうございました。

主催
ウォーターネットワーク
コラボレーション
第3回世界水フォーラム事務局
後援
第3回世界水フォーラム事務局
東京都環境局(予定)
協賛
ワミレスコスメティックス 株式会社
協力
社団法人 東京都建築設備設計協会
コシノジュンコデザインオフィス
株式会社 サン制作
代々木の杜ユースクラブ「響」
実施日時
平成14年10月7日(月)
午後6時開場、午後7時開演
実施場所
明治神宮社殿前〔野外特設ステージ〕
プログラム
第一部
「水琴窟の庭」雲・水〔尺八、コンピュータープログラミング/横谷基作曲〕
「濤声(とうせい)」〔尺八、大鼓/愛澤伯友作曲〕
「聖なる月」〔笙ソロ/石川高作曲〕
次世代の子供たちへ向けた新作(敬宮愛子様ご誕生記念曲)〔尺八、筝/三宅一徳作曲〕
第二部 (第二部衣装デザイン:コシノジュンコ)
「流転」〔尺八、笙、鼓、筝、コンピュータープログラミング/三宅一徳作曲〕
「月下流水」〔筝/横谷基作曲〕
小鼓インプロビゼーション
「Waves II」〔尺八、小鼓、筝、コンピュータープログラミング/横谷基作曲〕
出演者
田辺洌山(尺八)
杉浦邦雄(大鼓・小鼓)
石川高(笙)
桜井智永(筝)
牧野公昭(語り)
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来場者の声(アンケートより)

写真1
明治神宮・社殿前の舞台
写真2
リハーサル風景
写真3
和楽器に興味津々の外国人参拝者
写真4
コンサートの前には神主さんによる御祓いが執り行われた
写真5
尺八・田辺洌山による「水琴窟の庭」でコンサートが始まる
写真6
尺八と大鼓による「濤声(とうせい)」
写真7
笙独奏「聖なる月」(石川高)
写真8
敬宮愛子さまのご誕生記念曲「秋三題」(尺八・田辺洌山、筝・桜井智永、作曲・三宅一徳)
写真9
コシノジュンコさんのご挨拶。第2部はコシノさんにデザイン制作いただいた藍染めの衣装が使われた。
写真10
杉浦邦雄の小鼓インプロビゼーションで第二部がスタート
写真11
ナイル川をテーマとした「流転」でコンサートはクライマックスへ
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