大河のほとりに古代文明が栄えたように、川、水の流れは私たちに豊かな恵みをもたらします。農業も水がなくては成り立ちません。古代エジプト文明でもナイルの洪水により肥沃な大地が生まれ、豊かな実りを得ることができました。
日本でもお米を作る水田はまさに水と大地の恵みです。川から水路を引き、棚田や田んぼに水を引き入れます。水の輝く水田の景色は日本の代表的な風景の一つであり、また、生き物の宝庫であり環境保全にも役立っています。
現代社会では、日々の食料や農業の大切さを感じる場がほとんどなくなっています。太陽、森、水、大地など、大きな自然の循環の中で育まれる農業の大切な役割を見直そうと実施されているのが「ふるさとの水と土体験展」。ウォーターネットワーク代表の柴崎が総合プロデューサーとして、2001年の「ふるさとの水と土体験展」を実施しました。
都会に出現した田んぼ。春の田植え、秋の黄金色の稲穂、刈り入れまでを再現。田んぼに水がひかれ、カエルが鳴く。秋の稲穂が夕焼けに染まり赤トンボが飛びかう。民家の軒先の吊るし柿や、刈入れの稲など、田んぼとふるさとの四季がひろがります。秋の稲穂は、長野から4トン車4台、250箱が持ち込まれました。
ふるさとの小川やたんぼに住む本物の魚や水生生物たちの泳ぐ水槽を設置。タガメやタイコウチなど、最近見ることの少なくなった水生昆虫なども人気を集めていました。虫の目の宇宙では、昆虫写真家・栗林慧さんの虫の視点から見た映像をお楽しみいただきました。
メダカの泳ぐ姿はなつかしいふるさとの風景。「ゆめだか池」には本物のメダカが泳いでいます。メダカを増やしたいという子供たちの夢の込められた池です。子供たちが一生懸命覗いていました。
東 明美さんによる藁筆づくりは人気の的。コンバインでの刈り取りで藁も手に入り難くなっています。捨てられてしまう藁を使って筆づくりやワラ縄編みなど、来場者の笑顔が絶えませんでした。
会場内にある奉納殿(ミニステージ)では楽しいイベントがいっぱい。平日はふるさとの音風景を描く和楽器コンサート。土日は、子供たちを交えた太鼓“収穫の祭り”などが繰り広げられました。
11月4日(日)14:00〜稲刈りを体験し、黄金色の稲をお持ち帰りいただきました。4トン車3台分の稲はあっという間になくなり、最後は落穂を拾う人まで。稲穂がこんなに人気があるのにはびっくり。大盛り上がりのイベントとなりました。